最終更新日:2026年4月|編集部調査

【重要な法的知識】試用期間中・終了後の「本採用拒否」は法的に「解雇」に準じて扱われます。合理的な理由がない本採用拒否は無効となる可能性があり、不当だと感じた場合は労働基準監督署や弁護士に相談することが重要です。

試用期間中の本採用拒否:法律上の扱い

試用期間は、企業が採用した労働者の適性・能力を評価するための期間です。法律上は「解約権留保付き労働契約」とされており、企業は一定の条件下で本採用を拒否(解雇)することができます。

ただし、最高裁判所の判例(三菱樹脂事件)では、試用期間中の本採用拒否も「客観的・合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が必要とされています。

本採用拒否が認められやすいケース本採用拒否が認められにくいケース
履歴書・職務経歴書に重大な虚偽があった漠然と「能力不足」と言われただけ
業務上の重大な問題行動(ハラスメント等)があった具体的な指導なしに一方的に通知された
健康上の理由で業務遂行が著しく困難な場合採用時に伝えていた条件と異なる業務内容を原因にした

本採用拒否を通知されたらすぐにすること

  1. 書面での通知を求める:口頭での通知は後でトラブルになりやすい。「解雇通知書」の交付を求めましょう
  2. 理由を文書で確認する:「本採用拒否の具体的な理由を文書で教えてほしい」と求める
  3. 証拠を保全する:業務評価・指導記録・メールのやりとりなど関連資料を保存
  4. 試用期間満了日の確認:正確な試用期間の終了日と、解雇予告の要件(30日前告知 or 30日分の予告手当)を確認
注意:試用期間開始から14日以内の解雇は「解雇予告」が不要ですが、14日を超えた場合は30日前の予告または30日分の予告手当が必要です。この要件を満たさない解雇は違法となる可能性があります。

本採用拒否への対処法

不当解雇と思われる場合

  • 労働基準監督署への申告:管轄の労働基準監督署に相談・申告する
  • 都道府県労働局のあっせん制度:労使紛争の解決を支援する無料の公的機関
  • 労働審判の申立て:裁判所に申立てることで迅速な解決を図れる(弁護士への相談推奨)

速やかに次の転職に切り替える場合

不当性の主張には時間とエネルギーがかかります。状況によっては、速やかに次の転職活動に集中することが経済的・精神的に最善の選択になる場合もあります。

次の転職活動への影響と対策

試用期間での本採用拒否を経験した場合、次の転職活動でこの短期間の在籍をどう説明するかが課題になります。

  • 在籍期間は正直に職務経歴書に記載する(隠すと発覚した際に信頼を失う)
  • 離職理由は「双方の合意のもとで退職」や「企業の方針変更により」など事実を踏まえた表現を用いる
  • 転職エージェントに状況を正直に話し、応募戦略のアドバイスをもらう

読者の疑問Q&A

Q:試用期間中の本採用拒否は「解雇歴」になりますか?

A:法的には「解雇」に準じますが、次の就職活動で必ずしも「解雇歴あり」として書く義務はありません。ただし聞かれた場合は正直に説明することが重要です。

Q:試用期間の延長は可能ですか?

A:就業規則に試用期間の延長規定がある場合は可能です。延長する場合は書面での合意が必要です。延長なく本採用拒否を通知された場合は上記の法的手段を検討してください。

Q:試用期間中に自分から辞めた場合、失業給付は受けられますか?

A:自己都合退職の場合、基本的には2〜3ヶ月の給付制限があります。ただし試用期間中の場合は雇用保険の被保険者期間が短いため、失業給付の受給要件(被保険者期間12ヶ月以上など)を満たさない可能性があります。

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