最終更新日:2026年3月|編集部調査

退職手続きの全体の流れ【完全チェックリスト】

退職は一生のうちに何度か経験するもので、適切な手順を踏まないとトラブルになることもあります。以下の流れで進めることで、スムーズな退職を実現できます。

時期やることポイント
退職決意後すぐ転職先の内定確認・退職日の決定転職先の入社日から逆算して退職日を決める
退職の1〜3ヶ月前直属の上司に口頭で退職意思を伝えるまず上司だけに。同僚への口外はNG
退職1ヶ月前退職届の提出・後任の選定・引き継ぎ計画就業規則の提出期限を確認する
退職2〜3週間前業務引き継ぎ書の作成・社内への周知引き継ぎ書は後任者がいなくても必ず作成
退職1週間前取引先・社外関係者への連絡・社内挨拶開始後任者の情報も一緒に伝える
最終出社日貸与品返却・私物持ち出し・挨拶メール送信ID・社員証・名刺・PC等を漏れなく返却
退職後14日以内健康保険・年金の手続き手続き漏れで無保険期間が生じる可能性あり
退職後速やかに離職票受け取り・ハローワークへの手続き離職票は退職後10日前後に郵送が多い

退職意思の伝え方【NG例と正しい伝え方】

退職意思は必ず直属の上司に口頭で直接伝えるのが基本です。メールやLINEでの退職意思表示は避けましょう。法律上は退職の2週間前に意思を表示すれば退職できますが、慣例的には1〜3ヶ月前が一般的です。会社の就業規則も確認しておきましょう。

上司への切り出し方の例文

「〇〇部長、少しお時間いただけますか?実は大切なご相談があるのですが、個別にお時間をいただけると幸いです。」(まずアポを取り、個室で話す)

「この度、一身上の都合により、退職させていただきたいと考えております。退職日についてはご相談の上、できれば〇月末を希望しております。」

引き止めへの対処:「考え直してほしい」「昇給するから残ってほしい」と引き止められても、「すでに決意しています」と毅然と伝えましょう。退職理由は「一身上の都合」で十分で、詳細を話す義務はありません。退職は労働者の権利です。

退職できないときは?退職代行サービスの活用

上司に退職を伝えられない・引き止めが強すぎて辞められないという場合、退職代行サービスの利用が増えています。弁護士監修の退職代行サービス(相場:2〜5万円)を使えば、本人が直接会社と交渉せずに退職手続きを進めることができます。

  • 即日退職対応のサービスもある
  • 弁護士法人運営のサービスは有給消化・退職金の交渉も可能
  • NHKなどメディアでも取り上げられるほど一般的な選択肢になっている

退職届の書き方【テンプレート付き】

退職届の基本フォーマットは以下の通りです。

  • 「退職届」と中央上部に記載
  • 本文:「私儀、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。」
  • 右下に日付・所属部署・氏名(捺印)
  • 最上部(宛先):「代表取締役社長 〇〇〇〇 殿」

手書きが慣例ですが、PC作成でも問題ない会社が増えています。提出前にコピーを取っておきましょう。

「退職届」と「退職願」の違い:「退職願」は退職の承認を求めるもの(取り消せる)、「退職届」は退職を一方的に通知するもの(取り消し困難)です。会社側から「退職願を出してほしい」と言われた場合でも、退職届を提出すれば法的に有効です。

業務引き継ぎのポイント【引き継ぎ書テンプレート】

引き継ぎは後任者・会社のために丁寧に行うことが、社会人としての礼儀です。また、将来の転職先で「前職をどのように退職したか」が評価されることもあります。引き継ぎ書には以下を記載しましょう。

  • 担当業務のリスト:業務名・頻度(日次・週次・月次)・所要時間・使用システム
  • 取引先・顧客情報:担当者名・連絡先・過去の経緯・注意点
  • 進行中のプロジェクト:現状・次のアクション・期限・関係者
  • よくあるトラブルと対処法:ヒヤリハット事例と解決策
  • マニュアル・資料の保存場所:ファイルのフォルダパスやシステムへのアクセス方法

退職時にもらうべき書類

書類名用途発行タイミングもらえない場合の対処
離職票失業給付の申請退職後10日前後ハローワークに相談
源泉徴収票年末調整・確定申告退職後1ヶ月以内税務署に相談
雇用保険被保険者証次職での雇用保険加入退職時ハローワークで再発行可
年金手帳(または基礎年金番号通知書)次職での厚生年金加入退職時(保管中なら)年金事務所で確認
健康保険資格喪失証明書国保・家族の扶養加入退職後速やかに会社に催促・健保に問合せ

退職後の社会保険手続き(期限厳守)

退職後は速やかに以下の手続きを行いましょう。手続き漏れは無保険期間を生じさせたり、ペナルティの原因になります。

  • 健康保険(14日以内):任意継続(退職後2年間は元の会社の保険を使える・保険料は全額自己負担)または国民健康保険への加入。転職先の入社が1ヶ月以内なら、国保加入を省略できるケースも
  • 年金(退職翌日から14日以内):国民年金への切り替え(市区町村の窓口で手続き)。免除制度も活用可
  • 雇用保険(転職なしの場合):離職票を持ってハローワークへ。失業給付の受給条件・金額を確認する
編集部コメント:退職手続きで最も多いトラブルは「離職票が届かない」「有給休暇の消化を拒否される」です。有給休暇は労働者の権利であり、会社に拒否権はありません(時季変更権は認められる場合あり)。また、離職票は退職後10日以内に郵送するよう法律で定められており、届かない場合はハローワークに相談できます。

読者の疑問Q&A

Q:会社に退職を引き止められています。法的には問題ありませんか?

A:法律上、退職は労働者の権利です。民法627条により、期間の定めのない雇用契約は2週間前の申告で解除できます。就業規則で「1〜3ヶ月前の届け出」と規定されていても、それは慣習・配慮の問題であり、法的強制力はありません。退職できない状況が続く場合は、退職代行サービスや弁護士への相談を検討してください。

Q:有給休暇を退職前に全部消化したいのですが、拒否されました。

A:有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社は原則として拒否できません(業務繁忙期の時季変更権はあり)。退職前の有給消化を認めない会社は労働基準法違反の可能性があります。労働基準監督署への相談や、退職代行サービスの活用を検討してください。

Q:退職届は受け取り拒否されたらどうすればいいですか?

A:内容証明郵便で退職届を送付することで、法的に退職の意思表示が完了します。会社が受け取りを拒否しても、内容証明の到達日が退職申告日として認められます。

まとめ

退職手続きは「上司への口頭報告→退職届提出→引き継ぎ→書類受け取り→社会保険切り替え」の流れが基本です。計画的に進めることで、転職先にも円満な状態でスタートできます。

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