退職金とは?基本的な仕組みを確認

退職金とは、従業員が会社を退職する際に会社から支払われるお金です。法律で支払いが義務付けられているわけではなく、会社の退職金規程に基づいて支払われます。退職金制度がある企業の割合は、厚生労働省の調査では約70〜75%程度となっています。

退職金の受け取り方には、①一時金として一括で受け取る「退職一時金」と、②年金として分割して受け取る「企業年金」の2種類があります。

退職金の平均相場(勤続年数別)

中央労働委員会の調査データをもとに、勤続年数別の平均退職金額をまとめました。なお、これは大学卒・管理職モデルの数値です。

勤続年数大企業(平均)中小企業(平均)
10年約200万円約100万円
20年約700万円約300万円
30年約1,500万円約700万円
定年(35年以上)約2,000〜2,500万円約1,000万円
注意:この数値はあくまで平均値です。業界・企業規模・退職理由(自己都合か会社都合か)によって大きく異なります。自己都合退職の場合は、定年退職と比べて20〜30%程度低くなるケースが多いです。

退職金の計算方法

退職金の計算方法は企業によって異なりますが、一般的には以下の方式が多く使われています。

① 基本給連動方式

退職時の基本給に勤続年数に応じた支給率を掛けて計算する方式です。
退職金 = 退職時の基本給 × 勤続年数別支給率 × 退職理由別係数

例:基本給30万円 × 支給率30 × 自己都合係数0.8 = 720万円

② ポイント制

毎年一定のポイントが付与され、退職時にそのポイントの累積に応じて退職金が決まる方式です。近年この方式を採用する企業が増えています。

③ 確定拠出年金(DC)

会社が毎月一定額を積み立て、従業員が運用する年金制度です。運用成果によって受取額が変わります。

退職金にかかる税金

退職金には税金がかかりますが、「退職所得控除」という大きな控除があるため、実際には税負担が非常に軽くなっています。

退職所得控除額の計算

  • 勤続年数20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
  • 勤続年数20年超:800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)

例:勤続30年の場合の退職所得控除 = 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円

つまり、勤続30年で退職金1,500万円以内なら税金はゼロになります。これが退職金が老後資金として非常に有利な理由です。

転職時の退職金:損しない受け取り方

転職タイミングと退職金の関係:多くの企業では勤続5〜10年未満の自己都合退職の場合、退職金がほぼゼロに近いことがあります。退職金規程を事前に確認し、節目のタイミングで転職を検討することも重要です。

また、確定拠出年金(DC)がある会社から転職する場合、転職先や個人型iDeCoへの移換手続きが必要です。手続きを怠ると運用資産が失われる可能性があるので、必ず退職前に確認しましょう。

まとめ

退職金は老後資金の重要な柱の一つです。勤続年数・企業規模・退職理由によって大きく異なりますが、定年まで勤めた場合は数百万〜数千万円になることもあります。転職を検討する際は、退職金の扱いについても事前に確認し、損のない転職計画を立てることが重要です。当サイトの退職金計算機も活用してみてください。